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おうち学習ラボ~探究へん~
作成日2026/2/18
更新日

おうち学習ラボ
おうち学習ラボは、使える知識をはぐくむという視点で自宅での家庭学習をあれこれ試してみる実験場です。
君は探究学習を知っているか
現在、小・中・高等学校では「探究学習(総合)」が必修化され、学校教育の大きな柱となっています。
「総合的な学習の時間」自体は以前から存在していましたが、2022年に高等学校の学習指導要領で「探究」が必修化されたことをきっかけに、改めて大きな注目を集めるようになりました。
探究学習とは、生徒自身が課題を設定し、その解決に向けて情報を収集・整理・分析したり、周囲の人と意見交換や協働を行ったりしながら進めていく学習活動のことです。
「探究(総合)」という独立した科目で行われる場合もあれば、従来の教科・科目の中で探究的な学習が取り入れられることもあります。
探究学習はしばし「調べ学習」であるように誤解されますが、単に、自分の疑問に思ったことをインターネットや文献で調べてまとめるだけでは、探究学習とはいえません。
探究学習の大きな特徴は、課題を自分で設定することにあります。
課題は、生徒の生活に身近な社会・学校・地域に関わるものもあれば、物理学や経済学など、特定の学問分野における研究課題に挑戦する場合もあります。
いずれにせよ重要なのは、生徒自身が興味・関心や問題意識に基づいて課題を設定するという点です。 つまり探究学習において「やらされ感」は最大の敵であり、生徒の主体性が強く求められる学習活動だといえます。
次期学習指導要領でも探究は重視されている
文部科学省では、次期学習指導要領の改訂に向けた議論が進められており(2026年2月時点)、探究に関する概念や学習プロセスを整理した資料が公開されています。 そこでは、探究の概念や内容、学習プロセス、教科との関係性が示され、探究的な学びの重要性が強調されています。
文部科学省は探究を、次のように定義しています(文部科学省, 2026, p. 7)。
実社会・実生活との関わりの中で見出す自己の興味・関心や問題意識に基づき課題を設定し、教科等の学びを必要に応じて活用し、試行錯誤しながら、課題解決を通じた新たな価値の創造を繰り返していく学習のプロセス*1
これは、現行の学習指導要領における探究の定義の分かりにくさを補うために示された案ですが、探究の本質を捉えるうえで有用な定義だと感じています。
この定義から、探究学習の特徴として、次の点が挙げられます。
- 自分の興味・関心から課題を自ら設定すること
- 課題解決のために、各教科の学びを状況に応じて活用すること
- 課題解決を通して、自己や他者にとっての新たな価値を見いだすこと
探究は、既存の知識を調べてまとめる「調べ学習」や「自由研究的なもの」と誤解されがちです。
しかし、探究の目標は課題解決を通じて新たな価値を生み出すことにあります。その点で、単なる調べ学習だけでは不十分だといえるでしょう。
探究は教科学習の軽視なのか
探究学習が重視される中で、探究が既存の教科学習を軽視しているかのように受け取られ、「探究か勉強(教科学習)か」という二項対立で語られることも増えています。 しかし、探究と教科学習は、どちらが優れているかという関係ではなく、どちらも欠かすことのできない学びです。
基礎的な学力が不十分なままでは、探究的な学習も十分な成果にはつながりません。 一方で、教科学習だけをしていればよいという時代は、すでに終わっているとも感じます。
これから求められるのは、普段学んでいる内容が、自分の生き方や生活、ひいては社会とつながっていくような学びです。
そしてその学んだことが自分のこれからの生き方につながっていく。そんなイメージです。
探究が求められる中で、家庭のマインドをどう考えるか
探究の成果を評価対象に含めた「探究型」と呼ばれる総合型選抜入試を導入している大学も少なくありません。 こうした社会的な動きを受けて、「探究」を扱う塾も増えています。
そうした場に通わせること自体は、親として一つの選択肢でしょう。 ただし、親が探究を「受験のためのスキル」程度に捉えているとしたら、子どもの探究心は本当に育つのか。 子どもは親の影響をそのまま受けるわけではありません。 それでも、家庭の価値観が子どもに影響を与えるのは確かです。
勉強だけを重視する家庭では、子どもが探究に関心を持ちにくくなるかもしれません。
反対に、探究さえやっていればと教科学習を軽視する家庭でも、学びはうまくつながりません。
勉強と探究は対立するものではなく、日常の中で行き来できる関係にあります。
そのような価値観を、家庭の中で少しずつ育てていくことが大切なのだと思います。
家庭で問われる姿勢
探究が求められるようになったからといって、家庭までが「何かを身につけさせる場」になる必要はありません。 学校とは異なり、家庭は自由で、私的な場所だからです。 そのため私は、「探究」という言葉で 「これからは家庭でも探究の対策をしなければならない」と不安を煽るつもりはありません。
一方で、探究そのものは非常に大切な教育的営みだと考えています。
ですので一親としては、
学校で探究学習に取り組む際に、その学びがうまく進むよう、日常の中で小さな「種まき」をしておくことが大切なのかなと考えています。
自宅で探究学習をさせるとなるとやはり親の気合も必要になってくるので…。
家庭の視点からは十分に言語化されていない探究学習について、 このシリーズでは、ひきつづきじっくり考えていきたいと思います。
参考文献リスト
- 文部科学省. (2025). 総合的な学習・探究の時間に関する 目標・内容の構造化等について(2026年1月27日). https://www.mext.go.jp/content/20260127-mxt_kyoiku02-000046740_5.pdf(2026年2月18日閲覧)